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所沢駅ホームにて

無人駅

  
2023年10月11日(水)

鉄道駅の改札に駅員がいない駅。そんな「無人駅」が増えてきている。全国に約9500ある鉄道駅の内、半数近くが無人駅だそうだ。地方に行くほどその割合は高くなっている。この傾向は東京、大阪などの大都市部でも、じわじわと広がってきている。 「無人駅」増加の背景には、日本の人口減少やそれに伴う鉄道利用客の減少、そして、鉄道会社の減収などがある。特に、2020年に始まった新型肺炎コロナウイルスが蔓延したことで、政府による「外出自粛」の呼びかけから、街から人がいなくなる事態が続いた。当然鉄道利用客も減った訳だ。

思い返せば、昭和の時代、鉄道駅には今のような自動改札機ではなく駅員による有人改札が当たり前だった。窓口で切符を買い、改札で駅員が切符を切るという日常の光景があった。それが、券売機や自動改札機に代わり、駅員が減少していった。駅の自動化はこうして進んでいく。

「無人駅」は利用客に不安をもたらし、駅としての公共サービスの質の低下を加速させる。 もしも、駅利用中に怪我や急病のため助けを必要とした時、どこへ訴えたらよいのだろうか。あるいは、券売機や改札機でトラブった時、助けを求められるのだろうか?

困ることは他にもいろいろあるだろう。とりわけ、駅員の案内で電車を乗り継ぎし、目的地へ移動している障害のある人たちは、鉄道利用ができなくなってしまう。

駅員の存在は利用客にとって「癒し」でもある。駅員の「行ってらっしゃい」の笑顔の声掛けで、利用客は気持ちよく送り出される。ほほえましい光景だろう。

ぼくがまだ子供だった昭和の良き時代、子供たちの間で、「電車ごっこ」というゲームが流行した時期があった。「電車ごっこ」のキットには、はさみと切符などがついていて、客役の切符を駅員役がハサミでちょきちょきやる。そして、一人ずつ後ろにつながり、前の人の肩を持って、電車ごっこである。当時は、鉄道駅には駅員ありきだった。

駅員のいない駅は、冷たくて寂しい。駅に活気を取り戻し、街を元気にしてほしい。

今日、情報コミュニケーション4団体連絡会(日本視覚障害者団体連合、全日本ろうあ連盟、全国盲ろう者協会、全日本難聴者・中途失調者団体連合会)が国土交通省を訪問し、斉藤国土交通大臣に「無人化された駅を視聴覚障害者も安全安心に利用できることを求める要望」を手渡した。大臣からは、「これからも、障害のある方々との話し合いを継続したい」との発言があった。話し合いを継続することこそが重要だと思う。

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