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2023年11月3日(金)

サイトワールド

 11月1日は、日本点字の制定記念日だ。これに合わせるかのように、11月1日から3日までの3日間、視覚障碍者向け総合イベント「サイトワールド」が開催される。毎年開催されているイベントだが、コロナ禍の3年間は開催が取りやめになってしまっていたので、今年は4年ぶりの開催となった。

 東京・錦糸町の隅田産業会館をメイン会場に開催されたサイトワールド。これまでにも何度か見学したことがある。毎回国内外の視覚障碍者に関連するアップ・トゥー・デートな情報に触れることができ、大変有意義なイベントだ。そんなサイトワールドで、今回ぼくは、桜雲会主催の講演会の講師として関わることになった。大変光栄なことだと思っている。なお、「桜雲会」という団体は、つくば大学付属視覚支援学校の卒業生の同窓会として出発、点字出版や情報提供を中心とした事業を展開している社会福祉法人だ。130年以上の歴史がある。

 桜雲会は今年度の事業の一つとして、「ぼくとベイスの物語ー盲ろう者と盲導犬、奇跡の出会いと幸せな時間」と題したDVD付冊子(活字・点字)作成プロジェクトを実施している。これは、盲ろう者(特に、全盲ろう者の盲導犬との歩行や生活に関する情報が国内には存在しないため、半年後には盲導犬を引退するベイスと、そのユーザーであるぼくの記録を是非つくろうという提案からはじまった。そして、サイトワールドでの企画内容は、2部構成とサプライズアトラクションの3つのパートから鳴っていた。第1部は「盲ろう者と移動」について、認定NPO法人東京盲ろう者友の会理事長藤しかさんによる講演、第2部は今回の冊子の主人公であるぼくと訓練士の田中さん(日本盲導犬協会) のトークショーだ。そして、アトラクションは、今回作成するDVDの中で音響音源として使わせてもらうことになった、バイオリニストの穴沢さんによるバイオリンの生演奏である。

 定員65名という小さな会場には、盲ろう者が16人入っていたと聞いたから盲ろう者だけで最低32人(一人の盲ろう者に一人か二人の通訳・介助者が同伴するため)で、定員の半分近くがうまってしまう。後で聞いた話では、早くから受付に並んでいたけれど、「盲ろう者を優先」という桜雲会の判断のために、結局入れなかったお客様も多数いたようだ。

 沢山の盲ろうの仲間がかけつけてくれたのは率直にうれしい。だけど、サイトワールドのような一般に開放したイベントでは普段接することのない多くの都民や盲導犬歩行を検討中の視覚障碍者にこそ危機にきてほしかった。 盲ろう者にはまたいつでも会えるのだから。。。

 さて、トークショーは冊子のライター星野京子さんの進行ですすめられた。そのトークの中に、「 ベイスとのとっておきの思い出の場所は?」という質問があった。  「とっておきの場所ねぇ。8年一緒にいたから、いろんな所へ行ったけれど、あえていうなら、淀川の河川敷かな。サイクリングコースをベイスの伴走で走ったことが貴重な思い出です.」

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