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2023年11月26日(日)

マラソン

 今年もマラソンのシーズンがやってきた。ぼくは2014年の9月から長距離を走るようになり、今年で9年目、ベイスの年齢と同じ年数になった。

 そもそもランニングを始めようと思ったきっかけは、点字の週間新聞「点字毎日」のある記事だった。それは、視覚障害のトライアスロン選手が、大阪、長居公演で、視覚障害者のマラソンクラブわーわーずでランニングの練習をしているという記事だった。記事で「わーわーずの存在を初めて知ったのだ。

 ぼくは、まだ見えていた高校生の頃、陸上クラブで、主に短距離を走っていた。当時の陸上クラブにはクラスメートのほぼ全員が入部していたので、陸上はクラスメートたちとの交流の場にもなっていて、とても楽しかった。

 走ると気持ちがいいし、ストレスがたまっている時なんかは、「つまんないことなんてとんでいけ!」と言わんばかりにストレス解消にもなっていたと思う。

 陸上クラブ時代は、一般の高校生による競技大会等にも出場させてもらい、感謝の気持ちでいっぱいだ。しかし、長距離だけは苦手で、クラブでも自分自身長い距離を走ることはめったになかった。

 年を重ね、仕事が忙しくなり、ストレスがどんどんたまるようになった、40代も後半の頃、いくつもの壁にぶつかりながら、もんもんとした毎日を過ごすようになっていた。若かりし頃のように、白杖一本ですいすいと歩くことができなくなっていたことが、苦しみの壁にぶつかり続けるようになった根本原因だと思う。  「こんなんじゃなかった。行きたいところへすいすい歩いていけたのに!どうしてだ」と悩むことが多くなっていく。

 職場の同僚等に相談すると、「ガイドヘルパーを利用したらいいのでは」というような、紋切り型の言葉しか返ってこない。  なぜ、こうも簡単に、「人に助けてもらったら?」という考えになるのだろう。  ぼくは、自分でできることは自分でやってきたことが体に染みついているからなのだろうか?「ガイドヘルパー」などには抵抗が強かった。

 そんなある日、仕事ででかけていた先で、盲導犬をつれた弱視難聴の盲ろう者に会った。このことがぼくに盲導犬歩行の可能性を思い出させてくれた。「ああ、そうだ!盲導犬歩行というやつがある!」と。留学していた頃に、アメリカの全盲ろうの友人が盲導犬で歩いていたことを思い出す。

 よし!チャレンジだ!そう決めてから、盲導犬訓練センターへの相談と並行して、盲導犬と歩くための体力作りを始めなければと考えるようになる。体力づくりのために考えられることはほとんどチャレンジしてみた。民間のフィットネスクラブで利用拒否されたことも何度か経験した。

 そんな時に、前述の「点字毎日」の記事を思い出したのだった。そして、思い切って長居ワーワー図の練習会に参加してみることにした。  長距離が嫌いだったぼくが、まさか、マラソンにチャレンジするとは、夢にも思っていなかったことだ。

 練習を始めてから、9年。この間、フルマラソンに3度トライしてみた。1度は時間制限のないホノルルマラソンを8時間もかけてなんとか完走はしたものの、他2本は30キロ地点でリタイヤ。この悔しさをふりはらうために、大嫌いだった長距離練習にちょっとまじめに取り組んでみようかな、そういう気持ちがめばえてきたかも?

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