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2023年12月12日(火)

「ニーズ・シーズマッチング交流会」

 「ニーズ」、「シーズ」、「マッチング」。。。一体なんのことだろうか?カタカナ言葉が苦手な人にはどうもとっつきにくいネーミングで、見ただけで「難しそう!」と敬遠してしまいそうになるかもしれない。

 「ニーズ」は英語の「需要・必要性」の意味があり、「シーズ」とは、「種をまいて芽生えさせる」、つまり、「新しい発想という種からうまれた便利な製品、サービスを創造する」と言ったと意味合いがあるのだろう。そして、「マッチング」とは、「調和、適合」の意味から、「ニーズとシーズを適合させる」と考えると良いだろう。「マッチング」は、「カップルのお見合いマッチングアプリ」などと使われることも多いから、ご存知の肩もいるかもしれない。

 さて、この「ニーズ・シーズマッチング交流会」(数年前までは、シーズ・ニーズマッチング交流会」と言っていたらしい)に、我が社会福祉法人全国盲ろう者協会は、「ニーズ」側の立場で毎年参加している。この「交流会」は東京で開催される他、大阪でも行われている。(今年は、11月27日から3日間開催された)

障害者支援機器やサービスを紹介・展示する企業や団体が多い中で、盲ろう者協会は、「盲ろう者についての啓発」を主たる目的として「情報提供」のブースを出している。ブースには、「教会だより」や「盲ろう者のしおり」などを並べて、来場者に自由にとってもらう。これだけではあまり啓発にならないかもしれないが、ブースを担当するのは盲ろう当事者職員で、当事者の存在を周囲にアピールするきっかけをつくることも大きいと思う。そして、昨年からは、ブース担当にぼくも加わり、今年は協会の3人いる盲ろう職員が分担して1日づつ担当することになった。

 12月12日の初日はぼくが担当。昨年この 「交流会」に初めて参加してみて、いろんな企業や研究者がたくさんの事業を紹介していることにとても感動し、今年も楽しみにしながら、この日をむかえた。

 13時少し前に会場へ到着。受付で、出展者は「ニーズ」、「シーズ」のタグを受け取る。一般来場者は時間になるまで待っていることになる。ぼくは「ニーズ」のネームタグを受け取り、あらかじめ決められたブースへ行く。ブースには名が机が1本とイスが2客用意されていた。教会から送っておいた団ボウルから、「協会だより」などを出して、テーブルに並べて行く。一通り準備がととのい、しばらく休憩した後、他のブースを見学することにした。

 まず最初に、教会のブースのすぐななめ前に、「トヨタ自動車」が、「盲ろう者の点字食毒・感知力判定・練習器」(ぼくの独断によるださいネーミングだが)、次に、こちらも協会ブースから2つほど離れたところでいろんな機材のデモンストレーションをしていた「ゆびトン」を見学することにした。 これらの会社のプロジェクトは、内容が似通っていて、要するに盲ろう者のコミュニケーしょんや情報アクセスを点字で支援することをテーマとしている。

トヨタの特徴は、読み取った点字が何であるか、答え合わせができること。読み取る手段も複数あって、「指点字式読み取り」、「ピンディスプレイ式読み取り」、「手書き式かな読み取り」の3つが装備されている。このアイディアは素晴らしいと思う。これ1台で点字の食毒、指点字の読み取り、手書きの読み取りの練習ができるからだ。

一方の「指トン」は、手袋式指点字受信装置(残念ながら、実器による体験はできなかったが)、点字ディスプレイにスマホから情報を送信したり、測定した体温をスマホの振動のパターンにより確認できる等のシステムを触ってみることができた。

 この他、会場には1日では回り切れないほど数多くの出展があり、珍しい物、新しい物好きの私は、次々とブースをめぐりに足が止まらず、気が付いたら自分のブースをほぼ「留守」にしてしまっていた。

さて、「ニーズ・シーズマッチング交流会」には、二つの特徴があると思う。一つは、出展している人たちがお互いに交流を図り、情報交換し、要望やアイディアを伝え合うことだ。例えば、歩行支援装置を紹介していた「ダイハツ自動車」のアイディアもすばらしかった。U字形の装置をタオルを首にかけるようにして肩に載せる。この装置にはカメラとスピーカーがついていて、カメラで認識した目の前の情報をスピーカーから音声で知らせるというものだ。ぼくは、担当者に、「聞こえない代わりに、振動やその他の方法で情報を受け取ることができるようにしてもらえるとおもしろいと思う」と伝えた。今後の進化が楽しみな機器だ。

もう一つの特徴は、言うまでもないことだが、一般の来場者に出展者や出展内容を知ってもらうことだ。残念ながら、 、一般来場者のなんと少なかったことか。出展内容がすばらしいだけに、大変もったいない。来年こそは、もっと宣伝に力をいれてほしい。

   
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